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【VR】Oculus Riftを購入して10ヶ月位経った

日付:
2017年10月21日
カテゴリー:
雑記

筆者がOculus Riftを買ってから10ヶ月位が経ちました。VRについて思ったことを書き連ねます。

筆者がVR機器を買ってから10ヶ月位が経ちました。
先端技術が好きな私にとって未来は薔薇色。今の日本人は将来に希望が持てないなどと言われますがとんでもない。
テクノロジーがあらゆることを解決しエキサイティングにすると思っています。
10年前より今、今よりも10年後に期待せざるを得ません。

目次

VRデバイスを選ぶ

三大VRデバイス

  • VIVE:HTCとValve Corporation
  • Oculus Rift:FacebookとOculus
  • PSVR:Sony

PSVRは外部センサーを使用したトラッキングシステムがなく、VR空間内を動き回ることが出来ません。
RiftとVIVEは似たようなスペックですが、Riftの方が軽く、Touchデバイスも良さそうだったのでこちらにしました。

ただRiftはUSBポートを3つ専有してしまい、リソースを消費してしまいます。(VIVEは1つだけ)
また、外部センサー含むトラッキング(ルームスケール)の性能もVIVEに軍配が上がります。
次の世代のデバイスが登場したらVIVE系が良いなと思っていますが、マイクロソフト系の安価なデバイスも多く登場しているので、今後の選択肢は多いでしょう。

最初の体験

筆者が最初に体験したVRソフトはValveの「The Lab」でした。

The Lab へようこそ。Aperture Science 内のポケットユニバースの中で起こるルームスケールでのVR体験のコンピレーションセットをValve よりお届け。ロボットを修理したり、城を守ったり、ロボット犬を引き取ったりしてください。

巨大なラボの中でVRのチュートリアルを行いつつ遊べるゲームです。
完成度が高く細かく作り込まれています。デザインもかわいくブランディングされているし、「初体験で与えられる印象」に対する気遣いが伺えます。

ディスプレイの中に入る感じ

なんとなく「没入感がある覗き込み」のようなものを想像していましたが違いました。
VRはそのまま、3D空間の中に入ることが出来ます。

基本は既存の技術の組み合わせ

さきほど先端技術と書きましたが、VRにはとんでもなく革新的な技術は使われていません。

  • ディスプレイをルーペで拡大して左右の目の視野を覆う
  • センサーを使用して3D空間とデバイスの位置を同期させる

これだけです。
しかし技術の積み重ねが新しいものを生み出します。

VRが得意な分野

「仮想空間だからこそ出来ること」が得意

VRは「仮想空間だからこそ出来ること」が得意です。
空中に案内を表示したり、ワープしたり、現実世界だと出来ないことが出来てしまいます。

建築分野では、間取りやインテリアの配置を確認することが出来ます。
一度システムを組んでしまえば低コストで体験コンテンツを作ることが出来るでしょう。

ただなんとなく、現状だと「空間」を提供するサービス(建築)の補助としてはVRはあまり向いていない気がしています。
圧倒的な精度と写実的なレンダリングが出来るようになればまた別かもしれませんが。
あるいはワイヤーフレームだけなどのほうが良いのかもしれません。

360度動画・360度写真

「The Lab」のように3Dで作られた空間内で遊べるものと違い、動画や写真の中に存在できるのが360度コンテンツです。

これは一枚の動画を立体視する原理です。
なので必ずしも3Dモデリングで制作する必要はなく、360度カメラなどを利用して実写で作ることもできます。

欠点

カメラがあればすぐに作れるのでお手軽ですが、3D空間とは違い、VR内で歩き回ることは出来ません。
また、360度すべての視野をカバーする解像度が必要となるので、8K制作でも粗く見えてしまいます。

利点

空間を演算して描写する必要はなく、ただ動画再生が出来ればいいので、マシンスペックを要求しません。
スマートフォンゴーグルなどに向いています。

課題

酔う

我々は目を瞑っていても、下がどちらか分かります。
また乗り物に乗っているときも加速度を感じていると思います。これは三半規管が体の動きを鋭敏にキャッチしているためです。

しかしVR空間内で空を飛ぶと、視覚が受け取る情報と三半規管が感じ取る情報が違うため脳が混乱してしまいます。
この強烈な体験が酔いを引き起こします。
レースゲームや空を飛ぶゲーム、360度動画でこのような事が起こりやすいです。

そのためVR空間内での移動方法は日々模索されています。
ワープや実際に歩き回る場合は酔いません。

そして慣れるとある程度の耐性が付くようです。人間の体は面白いです。

疲労

疲れます。

斜視

子供はVR機器を装着しないようにしましょう。

現実空間とは眼球の動きが違い、寄り目や離れ眼の状態が持続することがあります。
大人でも機器を外した後には、眼球運動をするほうが良いかもしれません。

解像度不足

OculusやVIVEは両目合わせて2K程度のパネルが使用されていますが、網膜の解像度はもっともっと上です。
遠くのものを見る時にピクセルが潰れてしまい、特に文字は読めなくなってしまいます。

ただこのあたりは時間とともに解決されるでしょう。

ピントの問題

片目をつぶって、人差し指を立て顔の近くまで持ってきましょう。
その指にピントを合わせると後ろの景色がボケていることがはっきり分かります。

VRのパネルは立体視することは出来ますが、現実に奥行きが存在するわけではないため、いくら眼で合焦しようとしても背景がボケることはありません。
常に全域がはっきりと映ってしまいます。これも疲れの一員ではないかと思われます。

FOVEでは「アイトラッキング」の機能を搭載しています。
これにより装着者が見ている位置を検知し、肉眼のピント合わせに近い事ができるようになるかもしれません。
あるいは網膜の状態を診断してピントを深さを決定できるシステムができるかもしれません。

Immerse yourself in worlds that react to your eyes and emotions, experience precision control at the speed of thought. 250+ easily converted Steam VR titles, and over 25 million monthly active users in over 80 countries.

でかい

VRゴーグルは でかく装着にためらいが生まれてしまいます。

シャレオツな男性や女性は髪型が乱れるのも気になるのではないでしょうか。
この辺りは意外と重要なポイントだと思います。スマホは手軽に持つことが出来ますが、VRデバイスも手軽に装着できないと浸透は難しいでしょう。
装着すると周りが見えなくなってしまうVRよりもARやMRのデバイスのほうが一般的な浸透に向いていると思われます。

光と音のダイナミックレンジ

液晶パネルから発せられる光は、現実世界にある光よりも色域が非常に狭いです。

VRで真っ白な画面を見ても「うぉっ、眩しっ」とはなりません。
こちらはHDRの技術により、もう少し良くなるのではないかと思います。
また、あまりレンジが広くなっても、眼にダメージを与えないか心配ではあります。

音声にも同じことがいえますが、こちらはヘッドホンを使用している限り現実のレンジに近づけることは出来ません。
現実と同じ大きな音を出力すると鼓膜にダメージを与えてしまうからです。なので装着者は程々の音量で出力するでしょう。
スピーカーで出力するにしても、広大な空間と防音の設備が必要になります。

これは別にVRに限ったことではありません。脳に直接情報を伝達しない限り、この問題は解決しないでしょう。
しかし、前述のようにVRは得意なものと不得意なものがあり、別に現実の置き換えを追求する必要はありません。

いろいろあるけど

VR楽しいです。次回はVRのおすすめアプリケーションの記事を書きたいと思います。
→書きました。【Oculus Rift・SteamVR】おすすめアプリケーション

VRのこれから

VRは、ゲーム市場のコアな層にとって定番ジャンルの一つになったと言えるでしょう。
一般層は最初こそ新鮮に受け取りますが、物珍しいアトラクションの一つとして消費されます。要は仕組みにはすぐに飽きてしまうのです。

VRやAR、MRがこれからどうなっていくのか、現状はPCやスマートフォンのような大幅なシェアが起こる気配はありません。
しかしスマートフォンもはじめは「オタクアイテム」としてバカにされていました。
今では誰もが所有しています。
appleなどのブランディング努力もあると思いますが、根幹は「便利だから」の点にあると思っています。流行りというだけでなく便利だから皆使う。
ものすごく革新的というわけではなく、実際にはノートパソコンよりも小さくてライトに扱える端末というだけのものです。

電脳コイルに出てくるメガネのようなライトなARデバイスであれば、一般層にも浸透するでしょう。
そうなるとテレビやディスプレイの需要は下がり、またホームシアターや豪邸などの価値も落ちていくかもしれません。
仮想空間で全て体験できてしまいますからね。

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